なんかいろいろ卑怯だっ!

不安で食欲が無くなる……ということは無かった。
食後のデザートに胸を高鳴らせていた。


ティラミスとジェラートだ。
落ち着いた甘さのデザートで、満腹になったはずなのに、胃は受け入れていた。


「ベルナルド、高校生になったらもっと自由になれるか?」


「そうだな。門限も変わるだろうし、バイトも出来るからな……。ただ、留年があるから気を付けろよ」


「うぇっ……留年は嫌だな。可能性が高いってのが嫌だ……」


「そうならないように、今から頑張るんだぞ」


なんか、ベルナルドと瑠歌って特に仲が良い?
三学期から急に……。


まさか、どっちかが好きで……それは考えすぎ?


気になるけど、確かめようがないかも。遠回しに聞く?でも瑠歌は遠回しにだと気付かなさそう。こういうことには鈍感だから。


最後に瑠歌がトラックで飴を配る。
私ものせられている飴を取った。


「操縦が上手くなったな」


「だろう?飴も良い感じのやつを見つけたし!いや~ラストにふさわしいねぇ」


配られたのは桜の形をした飴だ。
お店で見つけて、この企画を思い付いたらしい。


ちょっと食べるのがもったいない。眺めて思い出に浸りたい。
食べて無くなってしまっても、繋がりが消えたりはしない。だから、家に帰って少し眺めたら食べてしまう。


卒業しても、大人になっても、きっとまた会える。
またここで、皆でゆっくり過ごしたいな。