なんかいろいろ卑怯だっ!

在校生は外で卒業生を待つ。
校舎から出てきたベルナルドは友達に囲まれていた。
私たちはベルナルドに手を振った。


「卒業おめでとう!また会おう!」


三人の声が揃った。
そして走り出した。ベルナルドより早く着かなければいけない。


「礼子ちゃん、大丈夫!?」


礼子ちゃんのスピードが落ちてきた。


「走るのはっ苦手で……」


息を切らせ、顔を歪める。


「騎馬戦の時は活躍してたのに……あっ、あれは走らないか」


納得した瑠歌は、先生から逃げることが多いからか余裕だ。


それでも何とか、ベルナルドより先に着いた。