「ベルナルドー!卒業おめでとう!」


瑠歌はツインテールに大きな桜の花のヘアゴムをつけて歩く。
窓から見ていたベルナルドに大きく手を振った。


今日の登校では左手に、卒業おめでとうと書いた風船を持つ。右手にはピサの斜塔をのせる。実は指輪になっているので安定している。


「ベルナルド、お祝いするぜ!」


教室の前の廊下に呼び出し、瑠歌は紙で作った桜の花弁をばらまいた。


「ありがとう!でも、掃除が面倒じゃないか?」


「あっ」


瑠歌が固まった。考えていなかったらしい。
幸い、大きめで数もそれほど多くなかったので、拾い集めやすかった。


「それじゃ、教室に戻るね。今日は真っ直ぐ家に帰ってきてね!」


「ああ……それ、ママにも言われたぞ」


ベルナルドは不思議そうにしている。
でも、二回も言われたんだし、忘れることはないだろう。