なんかいろいろ卑怯だっ!

「私が今日呼び出した理由はわかるか?」


わかるわけがない。わかるわけ……!


「体育祭で暴れたこと?」


「瑠歌と一緒にいることか?」


礼子ちゃんと貴島は思い付くことを言った。
そういえば、瑠歌がいない。私は同じ学年で一緒にいることが多いから呼び出されたのかな?
そうなると、ベルナルドは違う学年だからいない?


「違うな。体育祭で暴れたことなど初耳だ」


礼子ちゃんが、やってしまった、というように親指の爪を噛む。
面倒なことが増えた。言わなければ良かった……と、本人が一番思っている。



「今日ここに呼び出した理由は、二人の交際についてだ」


実は薄々気付いてたよ。
何を言われるのか……。


「まさか中学の内に交際とはな……。灯夜、何を考えているんだ」


「愛する人と一緒にいるだけだ。父さんに迷惑はかけていないだろう?」


愛する人、なんて言われて嬉しかった。
そんなこと考えている場合じゃないのに。


「何のために公立に入れたか忘れたのか?多くの人間と関わり、成長したいとお前が言っただろう。だが、同じ人間に拘り、人間関係が広がっていない!周りにいるのは昔からの友達であるベルナルド、妹や社交的とは言えない女……」


「十分だ!どうでも良いやつに囲まれるより、大切な人といる方が成長出来た!前の学校より充実しているよ!」


そうだったんだ。
私が、貴島を縛り付けていたのかもしれない。他の人と上手く付き合えない私のせいでこうなったのかもしれない。


「灯夜、イタリア語はもう完璧に話せる。スパルヴィエロはチェーン展開の話を断った。もうベルナルドに用は無いだろう」


「チェーン展開の話なんて断られるに決まっているだろう!僕はそんな理由でベルナルドと友達になった訳じゃない!」


確かに、友達って利用するためになるものじゃない。
お父さんの考えは冷たくて、辛いと思った。そんな基準で人を選んで、信じられる友達ができる?


「今は何を言っても無駄か。ベルナルドのことは後にしよう。瑠歌はある意味優秀だが、家を継がせる気は無い。あまり期待させるようなことは言うなよ」


「瑠歌は最初からそんなことを考えていないよ!商品開発に協力しているのも、好奇心に従っているだけのこと。下心なんか無い……!」


貴島の言う通り、瑠歌が二学期の始めに水上機を使ったのも、面白そうだから。
ベルナルドのことも瑠歌のこともわかってない!