なんかいろいろ卑怯だっ!

「すごい!これ、三年生が作ったんだ……」


「うん」


可愛いメイド服が展示されていた。中学生でここまで出来るんだ……。
フリルとか難しそうなのに。


「これは、友達が作った作品です」


礼子ちゃんは手で指し示した。
猫のぬいぐるみや鳥のブローチが置かれていた。


「可愛い。この花柄の子好きだな」


つぶらな瞳が可愛くて、見つめていた。
次は四階に行って、美術室に入る。家庭部と同じくらい人が多かった。


「絵本だ……絵、綺麗だなあ」


入ってすぐに見るところに置かれていた。自信作なんだろう。
私は作者の名前を見た。


「五月雨さん……」


美術部だったんだ。なんか意外だ。
他にも五月雨さんの作品はないか見る。名札を見つけ、繊細な蝶の絵や、白黒の迫力がある切り絵を見た。


線も色使いも綺麗だなあ。語彙力無いから、綺麗しか言えないのが辛い。


美術室の真ん中に置かれている机に、瀬戸さんの名前があった。
窓辺で寝る猫をペーパークラフトで表現したり、ゆるい顔の犬の焼き物があった。
紙を細かく切って、形を作るんだ……。集中力がいるよね。
瀬戸さんは可愛い感じの作品が好きなのかもしれない。


「瑠歌ちゃん、やめてよ!恥ずかしいし迷惑だよ!」


イーゼルの向こうから注意する礼子ちゃんがいた。


「あの、像に近づくのは危険なのでやめてください」


困った顔の美術部員も注意する。
デッサンの展示では、石膏像も一緒に展示していた。
すると、瑠歌は横でポーズをとったり、像に話しかけた。


何かの拍子にぶつかって落ちたら危険だし、使えなくなる。


「瑠歌、慎重にそこから出なさい」


瑠歌はイーゼルとイーゼルの隙間に身を滑り込ませる。
無事に出た瑠歌の背中を叩いた。


ふざけるだけじゃなくて、作品を真剣に見ていることもあった。


「キュビスムか……いいねぇ。授業に集中しない生徒を多角的に見ることで腹立たしさが増すよ」


よくわからない独り言まで出てきた。題名は授業放棄。
瑠歌も人のこと言えないよ。当坂先生が見たらストレスが溜まる絵だと思う。