なんかいろいろ卑怯だっ!

授業は何事も無く終わり、昼休みが来た。貴島と瑠歌はどうしよう……。


瑠歌はいつも通り私のところに机を合わせる。貴島は、瑠歌が弁当を食べ始める前にゼリーを食べ終えた。


「今日、帰りの会が終わったら理科室の近くの花壇に来てくれないかな?」


「うん……」


貴島が私の目を見つめてくるので、うんと言ってしまった。まあ用事は無かったしいいけど。


「貴島君、何で呼び出したの?」


一人の女子が聞いた。他の女子も貴島の答えを気にしている。何か面倒なことになりそうだ。


「言わないよ」


貴島がそう言うと、女子たちは何とか聞き出そうとする。しかし貴島は言わない。私は帰りの会が終わったら死ぬのかな?


「我が求め続けた魂を持つ者よ」


みんな中二病の方を見る。蛇打の弟はドアのところで、変に右腕を前に出して立っている。


「堕天紳士貴島から離れ、我の元に来るのだ!」


私に言っているの?


「もうやめてくれ!見てて痛いんだ!」


蛇打は弟を追い出そうとする。しかし弟は粘り強く留まろうとする。そんな二人の間にシャーペンが投げられた。


「誰が堕天紳士だって?」


それは、恐ろしい声だった。貴島は二人のところに行った。二人はガタガタと震えている。


「今度言ったら、的になってもらう」


デザインナイフを取り出して貴島は言う。蛇打の弟は走り去った。


「逃げるくらいなら、最初から言うなよ」


走り去るのを見届けながら、冷ややかな声でさらりとナイフを仕舞う。
それから戻って来た貴島は、笑顔だった。逆に怖い。


「的って……」


「ああ、本当にはしないよ」


よかった……でも、もしかしたら私を呼び出したのって……考えるのはやめよう。