なんかいろいろ卑怯だっ!

貴島がゴールテープを切った。
信じていたけど、やっぱり驚いて、嬉しかった。


選手と応援席を分けるロープから身を乗り出す。
瑠歌は杭を手で押さえていた。


貴島がこっちに来る。私は我慢出来なくなって、ついにロープの外に出る。


「貴島!やったね!」


「言った通り帰って来たよ。君の応援、心強かったよ」


貴島は私を抱き寄せる。
照れてるのか、ちょっと間があいてるけど。


「貴島、ちょっと屈んで。そうそのくらい」


私は貴島の頭をぽんぽんした。


「お疲れ様」


すると、貴島は顔が真っ赤になって、そっぽを向いてしまう。


もう。有言実行したかっこいい貴島が顔を見せないなんて。この目に焼き付けたいのに。そのゼッケンつけてグラウンドに立つのは今だけなんだよ?