なんかいろいろ卑怯だっ!

「まずいね……数を減らせたら、一人に使える人が増える……ほぼ確実囲まれるよ」


黒部さんの言う通りだ。


「こんなところで止まってる場合じゃない……少しでもみんなの負担を減らさないと!全力前進!」


作戦が崩れても、私の役目は変わらない!


人が一ヶ所に固まっている。そこに近付き、注目を引き付ける。


「まずは一番人が少ないところから!」


心に余裕のない中で探した、人が少ないところを指さす。
言った通りに近付くと、もちろん他の人たちが寄ってくる。


よし、岩代さんを囲んでいた人が減った。


私は囮役。その役割通りしっかりやらないと。


倒す方法はハチマキを奪うだけじゃない。
この子は右利きか。


一番私に食らいついてる子から。
あえてハチマキの端を掴ませる。


取られないよう押さえつけ、左手で抵抗する。
そう、私は両手を離している。でも、練習したし、がっしり掴んでくれる仲間を信じている。


私は左手で結び目を掴み、素早く右手を下ろす。普段よりしっかり肩を掴み……そして、右へ全力で進んでもらった。


「あっ……!」


落馬した!地面に足がつくと、ハチマキから手を離した。


「ナイス!この調子で行こう!」


「ありがとう!さっきのは皆が右に走ってくれたから……!」


向こうで一つハチマキを奪えたらしい。
大丈夫、まだまだ諦めちゃ駄目だ。
どちらもあと四人。