なんかいろいろ卑怯だっ!

固くハチマキを締め、覚悟を決める。


本番は一回だけ。大丈夫、作戦通りにするんだ。
震える手で乗った私に、黒部さんが言った。


「考えが重いよ。動いてから考えれば良いんだって。考え過ぎて時間かかるなら、直感で良いから指示を出して。後は私たちの方でも調整するから」


練習でも厳しく接してきた黒部さんが……意外だった。


「大将一人でやるんじゃないよ。私たちにも任せてよ」


私が、余計なものを抱えるから全体が重くなっていた。


余計な恐怖なんか廃棄してしまえ。


誰も礼子ちゃんを縛れないんだよ!


頭の中で、懐かしい声が響いた。
そうだ、鎖なんてない。重石なんて無いんだ。


「よし、行くよ。このクラスの本気を見せてあげるから」