なんかいろいろ卑怯だっ!

玉入れは二回ある。
決められた数の玉を持って待機する。ピストルが鳴った途端、瑠歌以外の人は一斉に投げた。


「ていっ!」


高く跳んだ瑠歌はかごに玉を放り投げた。落ちたのは一個だけで、ほとんどは正確に入った。


「よしいいぞ!最初の時点ではリードしてる」


萱田君が素早く他のクラスのかごを見る。
それでも、瑠歌は浮かない顔をしていた。


嫌な予感がする……嫌だな、当たらないで。


「瑠歌、休んだら?もうリードしてるし」


「はぁ!?本番にエースを休ませるとか正気か!?」


「様子がおかしいの!二回目まで力は残しとかないと……。瑠歌、一回目の間は跳ばないで!」


そう伝えてから、他の子が地道に入れているし、瑠歌は跳ばなくても結構正確に入れている。登校芸で鍛えられているのだろう。


ペースは落ちたものの、堂々の一位だった。


「まあ一位だしいいだろ。早霜、二回目は止めないよな?」


「うん。ここまで来れば大丈夫……のはず」


あと一回は跳べる。けど、二回目以降は保証されない。
瑠歌だけに頼って慢心するのは危険だ。


「慢心しないで!最後まで狙いを定めるんだよ!」


「何様のつもりだよ」


「早霜さんのくせに。全然入ってない子が指示しないでよ」


やっぱりそう言われるよね。
でも、不安なんだ。嫌な予感は当たりやすいから、被害は最小限にしたい。