黒胡椒もお砂糖も



 ――――――――は?

 何だそれ、プレゼント?と思って封筒を見ると、中にはまだ何か入っていた。逆さにすると落ちたのは一枚のカード。

「・・・何これ」

 私が呟くと、膝の上に落ちたそれを高田さんが拾い上げて言った。

「・・・ここのホテルのカードキーですね」

「えっ!?」

 プレゼントって・・・プレゼントって、陶子おおおおおお~!!!

 しかも、代金は平林さんもちって何よ!

 私は血液が逆流したのを感じた。ごほっ・・・い、息が出来ない息が!!

 こんなこと考えるのは絶対陶子に違いない!平林さんに嬉しそうに企みを話したんだろう。・・・・うーん、いや、もしかしたら平林さんの案ってことも有り得る・・・あの二人は、雰囲気が似ている。どちらもこんなことを考えそうなタイプだ!

 一人でゴホゴホとむせていたら、背中をトントンと軽く叩かれた。

 高田さんが面白そうな顔をしている。

「顕著な反応ですね」

「ほっ・・・放っといてください!」

 うるさいよもう!

 一人で精神的にバタバタと暴れていたら、飲み物が運ばれてきた。

 高田さんが注文したのはグリューワインというものだった。初めて見るホットカクテルに私は首を傾げる。だけどとにかく何でもいいから話題を変えたいと、目の前のそれに飛びつくことにした。

「それって温かいワインなんですか?」