恋愛条件


バスケって……難しいんだな。


『ざっとこれくらいなんだけど…。大まかな理解は出来たかな?あたし説明得意じゃないから分かりにくかったらごめんね』



『いえ、そんなことないです。すっごく分かりやすかったですから!』



この一連の事を説明してくれたのは全て彩織さん。


詩羽さんいわく、これも先輩への第1歩だからとか。


それに…復習にもなるって彩織さん自身も言ってたし。


つまり、あたしはもちろん。


彩織さんの勉強にもなったみたいなので、よかった…のかな?






そして大まかな概要の説明を終え、あたしたちが話し始めた3つ目のお話は余談話。


お2人の学校生活の話とか。


お決まりの恋愛話とか。


ちなみに詩羽さんも彩織さんも彼氏持ちだった。


しかも相手は2人ともバスケ部員だとか!


気になったあたしは後で2人から教えてもらうことになりました(笑)





そしてそんな余談話に花を咲かせていると。



『はぁ~…。あちー』



『死ぬかと思った……』



オリエンテーションを含めた、体験練習から部員達が汗だくで帰ってきた。



『1年。これくらいでへばってたらこの先もたないぞ~』



『…無茶言わないでくださいよ、先輩。逆に何でそんな平気なんすか…』



『そりゃ、お前らより1年は長くやってっからな。俺らより先輩たちの方がすげぇし』



『もう先輩達が光ってて、神にしか見えないっす……』



その1年生部員達の様子から、練習のきつさは痛いほど伝わってきた。


そして気づけば



『すごい、1年生も運動神経良さそうな子ばっかりなのに。それでもきついなんて…』



そう独り言をこぼしていた。


へとへとの部員達には届いていないみたいだけど、マネージャーの方にはばっちり聞こえてたみたいで…



『そりゃ、一応県1位レベルだからねぇ』



当たり前のようにそう言ってのけた詩羽さんの言葉にはすごく驚いたけど。


だからか。とすぐに納得できた。