恋愛条件



『はいっ!お願いします!』



あたしが挨拶をすると、2人の先輩が素敵な笑顔で迎えてくれた。


とりあえず…いい先輩達でよかった、かな。



『にしてもバスケ初心者かぁ!あたしらと同じだねぇ』



『そうですね。でもすぐに慣れるから大丈夫だよ、鈴音ちゃん』



『そうなんですか…!詩羽先輩と、彩織先輩がいてくれて心強いです!』



『あ、その呼び方!先輩じゃなんか堅いからさ。せめてさん呼びにしない?男バスのマネさん…マネージャーは代々そうらしいから』



『あ、はい!えっと…詩羽さんに、彩織さん…?』



『うん、その方がいいね。なんだかあたしが先輩なんてすごく不思議な感じだよ』



『彩織はいい先輩になれる!あたしが保証する!ね、鈴音?』



え、あたし!?



『え、あの…はい』



『あはは。鈴音ちゃん、面白いね。詩羽さんももありがとうございます』



まだ少ししか会話をしてないけど…


ここまで会話をした感じでは


詩羽さんはサバサバ系なリーダー気質の先輩。


的確な指示、素早い判断。


それを臨機応変にミスなくこなす。


そんな感じがする。


きっとすごくしっかりしてるんだろうな…。


それとは反対に、大人しくて姉御気質なウットリ系の彩織さん。


優しくて、一見天然さんのようにみえるけど…。


間違いなく、慎重に物事を進めて、皆のプラスになるように上手く対処ができる。


そんな先輩だろうな…って印象。


そしてこの先輩もまた、詩羽さんとは違うしっかり者だと思う。


あたしも先輩達から浮かないように頑張らなきゃ。






2人の先輩達と話しながら、あたしはそんなことを考えていた。






それから、先輩達と話した事は大きく分けて3つ。



1つ目は、星蘭バスケ部全体について。


星蘭バスケ部は当たり前だけど男子と女子があって。


基本は同じ時間に1つのコートを半分に割って使っているらしい。


だから試合をする時などは、お互いのキャプテンが話し合ってオールコート…つまり1つのコートを時間を決めて順番に使ったりもするんだとか…。