「ちぇ~、昂斗だけ抜け駆けかよっ」



「バイト一緒って言ってたし、仕方ないよ。俺たちも行こう」



何だか不満そうな彼らも一緒に。















部屋に入ると、早速ソファに腰を下ろすあたしたち。


席順は、海凪とたかとくんが隣同士。


そしてその2人の向かい側に残りの2人に挟まれるようにしてあたしが座っている…という感じ。



「明日もバイト入ってる?」



「うん。そっちは?」



海凪たちは完全に盛り上がってるし…。


知らないあたしたちは一体どうしたらいいのやら。


とりあえず…



「えっと、あの…」



挨拶くらいは、した方がいいよね。



「お、ごめんねぇ。オレたちから話すべきだった!初めまして!!」



勇気を出して口を開こうとした時、右隣の元気のいい男の子が先に喋り始めた。



「はじめまして…」



それに続くように、あたしも口を開く。



「ごめんな。初めまして!」



さらに続いて左どなりの優しそうな彼も口開いた。



「よし!じゃぁ盛り上がっていこ~!!」



と、いつの間に会話を終えていたのか海凪が開始の合図を示し、そのまま自己紹介が始まった。



「初めまして!星蘭高校2年A組、橋本海凪ですっ。皆と仲良くなりたいのでいつでも話しかけて下さい!!!」



「初めまして。…同じく星蘭2年A組で海凪の親友の早川鈴音です。緊張で上手く話せないけど…仲良くして下さい…!」



海凪に視線で促され、自己紹介を終えたあたしは席についた。