恋愛条件



彰良は彰良で、バスケバカらしくスキルや細かい基礎を磨いてメキメキ上達してる。


俺は……強くなれてんのかな………?



「…なー鈴音。俺もちゃんと成長出来てんのかな」



鈴音に聞こえるか聞こえないかくらいの声で、俺が小さく呟いたとき。


早いもので、もう鈴音の家の前に着いてしまった。


だけど鈴音は、そんな情けない言葉でさえちゃんと聞きとってくれて



「出来てるに決まってるじゃん。今日の試合で1番かっこよかったよ?だから…大丈夫。自信もって!」



いつだって俺の喜ぶ言葉をくれるんだ。


鈴音らしい、優しさの溢れる笑顔を浮かべて。



「じゃあ、あたし帰るね。今日もお疲れっ。また明日ね」



「おう」



家に入っていく鈴音を見届けてから、俺はまだ先にある自分の家に向かって歩き始める。









……鈴音。


俺やっぱりお前が好きだ。

















鈴音しか好きになれねぇよ───────











お前はどう思ってる?



誰か思ってる奴がいんのかな。







頼むから






──────誰のものにもならないでくれよ…。