「またまた~。謙遜しちゃって!ま、鈴音のそんなところも好きだけど」
「そういう海凪だって同じでしょ~?あたしも海凪のそういうとこ好き」
「いや、あたしは本当に可愛くないから!」
「あたしの方が可愛くないって…」
「「……ふふっ!」」
あたしたちは顔を見合わせて笑った。
「あたしたち、似たもの同士だね(笑)」
「本当だよ!鈴音最高~!」
「海凪もね」
「あは。うん、分かってる!(笑)」
彼氏なんていなくても、海凪がいれば楽しいから別にいらない。
親友いるだけでも立派な青春だよね?
「ほらー、席つけよー」
「先生おはよー!」
「おはよう。朝から元気だなぁ、橋本は」
「それが取り柄だから!」
「そうかそうか。じゃSHR始めるぞ」
誰にでも明るくて、優しくて。
皆から好かれる海凪が羨ましい。
海凪と仲良くなれてよかったなっていつも思う。
あたしも海凪みたいになりたいって思うけど…。
やっぱり思うのと実際になるのは全然違うわけで………。
海凪みたいになるどころか、近づけてもいない。
でもまぁ、それでもいいかなって思ってるのも本当。
結局、あたしは海凪がいればそれでいいんだ。
だけど、運命の出会いは。
──────確実に迫っていたんだ。
その頃のあたしはそんな事とはつゆ知らず、欠伸をしながら先生の話を聞いていた。