【翔月side】
「海凪ー!待ってよー」
橋本のもとへ駆け出す鈴音。
彼女に続き、俺も慌てて橋本を追いかけた。
「結構いい席とれたね」
「でっしょー?」
「橋本さまさまだな!」
ぼーっとすんな、俺。
鈴音の何気ない一言くれぇで……。
────『本当にそんなんじゃないからね!』
けど、鈴音にとっては何気ない一言でも。
さすがに傷つかずにはいれなかった。
だって俺は。
─────────鈴音が好きだから。
せめて鈴音が鈍感じゃなければな…。
俺の気持ちに気づいていたはずだ。
その証拠に…………
大半の人は俺が鈴音を好きなことに気づいてる。
現に橋本なんか勝手に協力してくれてるしな。
「本郷くんってさー、一途だよね!」
まー…半分以上面白がってんだろうけど。
「え、何?翔月好きな人いるの?!」
「何言ってんだよ、橋本!俺には好きな奴なんていねーっての!」
鈴音に伝えられるわけない。
好きだ、なんて。
言い終わってチラッと橋本を見ると、ニヤニヤとこちらを見ていた。
本当、橋本には頭あがんねぇわ(笑)
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