それでもあたしはジッとステージ上の男を見つめていた。


ルールはしっかり聞いて、すぐに対応しなきゃいけない。


「まぁまぁみなさんそんなにビクビクしないで」


男はみんなの反応を見て笑い声を上げ、そう言った。


「ルール変更と言っても大きな変更はありません。今までと同じようにあの部屋に入り、煙を吸ってもらってバトルをする。それだけです」


「なにが変わったんだよ!」


酒本君がそう声を上げた。


「君はとても威勢のいい生徒だな」


男は酒本君を見てニヤつきながらそう言った。


「答えろよ!」


「ちょっと、やめなよ」


公恵が酒本君を止めに入る。


スーツ男を敵に回すべきじゃないと、公恵はちゃんと理解している様子だ。


公恵に注意された酒本君はチッと舌打ちをして静かになった。


「では、質問に答えよう」


男が全校生徒へ向けてそう言った。


あたしはギュッと拳を握りしめる。


死のバトルでルール変更なんて、嫌な予感しかしない。