あたしは頷いた。


「思い返せばクラスで弱い立場の子たちが勝ってるよね」


彩美の言葉にあたしは「え?」と、聞き返した。


「ほら、亜弥ちゃんとか山口君とかさ」


言われてみればそうだ。


2人ともクラス内でイジメられていた。


中村君にしても目立たない生徒だ。


「やっぱり、大人しい子の方が日ごろからストレスを抱えてるってことなんだろうね」


彩美が嫌な顔をしてそう言った。


そうかもしれない。


でも……もし、それとは関係のない事が絡んでいたとしたら?


<mother>がこのバトルで勝たせたい人間がいたとして、操作していたとしたら?


そう考えると、血の気が引いていくのを感じた。


もし、万が一そうだとしたら、このバトルは無意味だ。


殺し合いをしていると思い込ませながら、<mother>が助けたい人間だけを生き残らせることになる。