不衛生で、不安定な隔離空間だ。


「彩美はすごいね……」


「え?」


「こんな理不尽な戦いを勝ち抜いて外に出て来たんでしょう?」


「うん……でも、沢山助けてもらったよ」


あたしは自殺した翔吾の事を思い出してそう言った。


翔吾は最後の最後まであたしを助けてくれたんだ。


「あたしたちは、生き残ることができるのかな……」


その言葉にあたしは大きく息を吸い込んだ。


「たぶん……無理だよ」


あたしの言葉に彩美が目を見開いた。


「いつだってゲームは1人しか生き残る事ができない。たとえA組の中で勝ち残ったとしても、きっと生き残りだけが選ばれたバトルがまた始まる」


「そんな……じゃぁこの体育館から出られるのって……」


「1人だけ」


あたしはそう言い、ステージ上に吊るされている3人の死体に視線を向けたのだった。