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みんな、茫然としていた。


男はいなくなったが、みんなの体内にはチップがある。


そのチップが存在している限り、この体育館内でもうかつな動きはできなかった。


あたしは残った男たちが運んできた夕飯を食べて、そのまま横になっていた。


明日になればまたバトルをさせられる。


眠れなくても、目を閉じて疲れを取っておいた方がいい。


その時だった。


「朱里……」


彩美の声が聞こえてきて、あたしは目を開けた。


彩美を見るともう怒っているような様子はなかった。


「なに?」


「さっきは……ごめん。頭の中が真っ白になって、彩美を責めちゃって……」


「わかってるから、大丈夫だよ」


そう言うと、彩美はホッとしたようにほほ笑んで、あたしの隣に寝転んだ。


「……床が冷たくて気持ちいい」


「うん。お風呂に入りたいけどね」


体育館の中にはトイレもシャワーもなにもない。


我慢ができなくなった生徒たちは倉庫の中にあるバケツに用を足していた。


トイレはとりあえずそれでいいけれど、シャワーはどうしようもなかった。