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そして、ついに中央の壁が取り払われた。


結愛ちゃんが竜輔君に掴みかかる。


竜輔君はそれを振りほどこうとして……途中でやめた。


結愛ちゃんを見て優しくほほ笑んでいる。


「どういうこと……?」


三春ちゃんがその様子を見て混乱した声を出す。


「竜輔は結愛の事が好きだったんだ」


三春ちゃんの疑問に答えたのは竜輔君の親友である、酒本君だった。


酒本君はジッと竜輔君の様子を見ている。


「……そうだったんだ?」


三春ちゃんが目を見開いてそう言った。


「あぁ。だから、あいつはきっと……」


酒本君がそう言った瞬間、竜輔君が押し倒されその首が絞められているのを見た。


理性を失った結愛ちゃんはグングン力を込めていく。


細くて白い指先が竜輔君の首に食い込む。


竜輔君が白目をむくその直前、最期の力を振り絞って口を開いた。


それは声にはならない「好きだよ」という、愛の告白だった……。