笠原さんの肩に噛みついた大森さんは、力付くでその肉を噛み千切った。


瞬間、血が飛び散り部屋の壁を汚した。


大森さんはクチャクチュと音を立てながらその肉を粗食する。


「なにしてんの……あれ……」


彩美が震えた声でそう言った。


「食べてる……優子の事食べてるよ!?」


「ちょっとなにしてんのよ優里!!」


仲間たちが部屋にかけより、必死で声をかける。


しかし、理性を失っている2人にその声は届かない。


「……食欲だ」


あたしはそう呟いた。


理性を失った大森さんは食欲の化け物だったのだ。


目の前にあるものをすべて食べる。


そのくらい強い食欲を持っていたことになる。