あたしたちが中央へ移動すると、他の生徒たちは自然と道を開けてあたしたちを取り囲むように立つ形になった。


今から何が始まるのか期待と不安が入り交ざった表情をしている。


そんな中、あたしは深呼吸を繰り返した。


これから<mother>が用意したゲームが始まる。


それは確実に生死をかけたバトルだと言う事は、あたし自身が一番よく理解していた。


先生もいない、外に助けを呼ぶこともできない。


この状況でどれだけ冷静な判断ができるかが、自分の生死を分けるのだ。


下手をすれば、親友である彩美を殺さなければいけなくなるかもしれない。


奴隷部屋から脱出できたのがあたし1人だったように、今回も生き残れるのはたった1人である可能性は高かった。