A組にいる自分だって標的になっていたかもしれないんだ。


イジメのターゲットになるかどうかなんて、ほんの少しの差しかないんだろう。


ちょっと肩がぶつかったとか、ちょっと趣味が違ったとか。


そんな些細なことで誰にも見られない場所で壮絶なイジメが存在していた。


彼らはそれを耐えて来たんだ。


ここに来て下剋上のチャンスを与えられたのは、そんな彼らの事を<mother>がしっかり見ていたからかもしれない。


そんな事を考えている間にバトルは開始されていて、山田君が中村君の首を絞めている。


木村君は原田君の腹部を蹴り上げて、原田君はその場に嘔吐した。


それぞれの攻撃は止まらない。


特に木村君は今までのストレスをすべて発散するかのように、暴力的だった。


そんなに筋肉がついていないように見える木村君だけれど、破れた制服から腹筋が見えて驚いた。


「おお、さすが木村だな!」


中尾君が感激したような声を上げる。