「なにをすればいいの!?」


あたしは身を乗り出してそう聞いた。


「静かに。これを誰かに聞かれたら話はパァだぞ」


そう言われあたしは慌てて口に手を当てた。


体育館から物音は聞こえて来ない。


きっと、大丈夫だろう。


「世田朱里。お前には明日シラフのままでバトルに挑んでもらう」


「シラフのまま……?」


「そうだ。シラフのままで勝てばお前を勝者として認めることにした」


あたしは男の言葉に目を見開いた。


シラフの状態でクラスメートを殺す事は確かに大変だ。


だけどあたしはそれをすでにやってのけている。


それに、バトルの途中で煙の効果は切れるようになっている。


そうなればみんなだって攻撃の手が緩んでしまうのだ。


その時をねらって攻撃すれば、あたしが勝つ事ができる。


「……本当に?」


あたしは唾を飲み込んでそう聞いた。


「本当だ。約束しよう」


男は大きく頷いたが、あたしはまだ伺いの目を男へ向けていた。