控室の構造を思い出しながら一歩部屋に入ると、あたしは思わず足を止めていた。


「うそでしょ……」


おもわずそう呟く。


四方が壁で囲まれているはずだった部屋は、一番奥の壁が取り払われていたのだ。


あたしは唖然としてその場に立ち尽くす。


外からの風が入っていてあたしの前髪を揺らした。


「なにをそんなに驚いているんだい?」


スーツの男はニヤつきながらそう聞いてくる。


「外が……」


「あぁ。外と通じていないと料理が運べないからな」


『当たり前だろ?』


そう言いたそうな表情をしている。


ステージに上がった生徒たちが殺されたことで、ここを確認した生徒は1人もいない。


出口は常にここにあったというのに……!!


あたしはギリッと歯ぎしりをした。


まぁいい。


仮にこの出口を見つけていたとしても、脱出しようとすれば殺されることになるんだろうし。