みんなが一斉にざわめきたつ。


この2人を戦わせるなんて、宮田君に死刑宣告をしているようなものだった。


「2人はすみやかに部屋の中に入るように」


男が言う。


山田君は躊躇しながらも部屋へと向かい、透明なドアに手をかけた。


しかし、宮田君は恐怖で一歩も足が出ない様子だ。


「宮田幸大、早く入れ!」


部屋の前にいた男が宮田君に言う。


しかし、宮田君はガクガクと震えるだけで動かなかった。


「い……いやだ……」


震える声でそう言い、左右に首を振る。


「聞き分けが悪いとクラスメートと同じ事になるぞ」


男がそう脅し、宮田君の腕を掴んだ。


「でも……俺……絶対に負ける……あいつが相手なんて、そんなの……」


「仕方ないだろう、ルーレットで当たったんだからな」


ステージ上の男がため息を吐きながらそう言った。


ルーレット……。


あたしたちの命はあの男が回すルーレットにかけられているのか。


あたしは拳を強く握りしめた。