いざ、2次元の世界へ



赤く大きな胸元のリボン、ヒラヒラの短いスカートチェック柄のスカート、指定の紺色ブレザー。


何もかもが、漫画と同じだった。


その瞬間、2次元の世界に入ってから、初めて喜びを感じた。


つい写真に収めたくなり、スマートフォンを探す。


だが、初めて身に付けたこの制服のポケットにあるはずもない。


家にいたときは、確かに上着のポケットに入れていたはずなのに。


私のスマートフォンはどこへ行ってしまったのか。


そういえば、あの生原稿もない。


一体どこにあるのだろう。