大きく深呼吸をして、ドアノブをひねった。 力に任せて扉を開けると、まず最初に入ってきたのは、女の子といった感じの甘い香り。 この匂いは、作者から香っているのか、アンナの部屋だからなのか。 どうでもいいようなその小さい疑問は、部屋の中へ一歩踏み入れた瞬間に解決する。 「えっ…もしかして、作者って…ええ!?」 目に真っ先に入ったその人物は、私が良く知っている人だった。 「そうよ、私!」 能天気な笑顔で、肯定したのは… 私の母親だった。