それから俺の家に。


 玄関の前で立ち止まってしまったチカ。

「どうした?」

「うん…。
 入りづらいなって思っちゃって」

 チカが困ったように笑う。

「チカは何も悪いことしてないんだから、堂々としていればいい」

「そんなこと言っても…」


 うつむいてしまった彼女の手を握って、俺は強引に歩き出した。

「気にすんなって。
 叔父さん達が待ってるから行くぞ」

「えっ。
 あ、ちょっと!」

 戸惑うチカの手を引いて、玄関の扉を開けた。



「ただいまー」

「あ、アキ君!?」


 チカに構わず、俺はどんどん廊下を進みリビングに。


 叔父さんと叔母さんはソファーに座ることなく、立って待っていた。