―――どういうこと?!

 突然現れたアキ君に、私は目を見開くばかり。


 何も言えない。

 何も出来ない。


―――どうして、アキ君がここに?

 ただ、アキ君を見つめる。



 瞬き一つしない私を見て、彼が口を開いた。

「…やっと見つけた」

 泣きそうに目を細めるアキ君。


 その声。

 その視線。

 それは私が知る『桜井 晃』で。


 イギリスで会った彼とはぜんぜん違っていた。


―――なんで、アキ君がここにいるの?!


 もう二度と会わないはずだったのに。

 記憶を取り戻したアキ君と会ってはならないはずだったのに。


 私はガクガクと震えることしか出来ない。