「今度こそ?」


 それはどういうことだろう。

 そして、トオルさんはどんなお祝いを用意したのだろう。


 それより、彼が私との結婚を白紙に戻すような発言をしたことの方が気になる。


「いったい、何なの?」


 状況が何一つ理解できない。

「後でしっかり説明してもらわなきゃ」



 ところが、トオルさんはなかなか戻ってこない。


「どうしたんだろう」


 ただボンヤリと立っているのも退屈なので、窓の外の景色に目をやる。


 それから更に10分ほど経って、ゆっくりと近づいてくる足音が。


「やっと戻ってきたぁ」


 開けていた窓を閉めた時、ゆっくりと扉が開いた。


「ねぇ、トオルさん。
 きちんと説明して」


―――…え?

 振り向いた私はそのままの状態で固まってしまった。
  



 そこに立っていたのはアキ君だった。