正面きって反対はしないけれど、あまりいい顔をしなかった叔父さんと叔母さん。

 2人を説得し、再びイギリスにやってきた。



 約1ヶ月前に起こったテロの傷跡がところどころに残る街並み。

 崩れたままの建物を見ると、その衝撃の大きさに身震いするほどだ。


 これほどの爆発でありながら、『よく自分は死なずにすんだものだ』と、つくづく運のよさに感謝する。

―――きっと、チカに会うために俺は生き延びたんだ。


 チカに会いたいという思いが。
 
 願いが。

 神様に届いたんだ。


「これはもう、何が何でも会わないとな」


 苦笑交じりに呟きながら、路線バスを降りた。