あたり一面が暗闇の世界。

 空も地面も黒く、何もない空間。


 そこに一人で立っている俺。

 今の自分じゃなくて、高校生くらい。


 少し幼さが残っているその表情は冷たく、瞳に生気がない。

 何をするわけでもなく、ただ立ち尽くしているだけなのに悲しみが伝わってくる。


 親を亡くした寂しさが。

 人を信用できない苦しみが。

 全身を覆っている。



 このままいけば、いずれ自分の命を絶つことに何のためらいを抱かない人間になるだろう。

 そう思えるほど、悲壮感を背負っている。


“生きながらに死んでいる”


 そんな言葉がふと浮かんできそうな顔をしている俺だった。