「写真?」

 俺はそれを見て息を飲んだ。


 写っていたのはチカ。

 髪形が少し違うけど、確かにチカだ。


 その写真の中のチカは遠くを見ている。

 こちらに焦点が合ってないということは、隠し撮りなのだろう。


「ご本人にお会いしたのはずいぶん前なので、うる覚えなんですが。
 この方、専務の彼女さんですよね?」


 今井さんは以前、俺とチカと3人で飲みに行ったことがあった。

 もう3年近く前のことだ。


 俺は彼女にうなずきで返す。


「やっぱり」

 ほっとしたように胸をなでおろす今井さん。


「前にチラッと言ってましたよね。
 “彼女が行き先も告げずに突然姿を消した”って。
 もしこの女性がチカさんだったら・・・と思って、撮ってきたんです」

「この場所は?
 チカはどこに?」

「●●街の7番地あたりです」


 彼女が教えてくれた住所は、チカが職場の人が紹介してくれたといった場所からかなりはなれたところだった。