翌日の日曜。

 片づけを終えると、荷物を宅配業者に任せて実家に向う。


 リビングでお茶を飲んでいたお父さんとお母さん。

 私が来たことに喜んでくれたけど、留学のことを話したらすごく驚かれた。


「そんな急に?」

 お父さんが目を丸くしている。


“急ってこともないでしょ。
 前に話していおいたはずだよ”


 職場の先輩には留学の経験者が何人かいて。

 自分の発想や感性を広げるのに留学は役立った、と話してくれた。

 だから、自分も機会があればいつか留学してみたいと親に言っていた。


「その時は“するかもしれない”ってだけだったじゃない。
 それを明日出発だなんて・・・」

 お母さんも戸惑いを隠せない。



“びっくりさせてごめん。
 ・・・でも、もう決めたから”


 私がはっきり言うと、お父さんもお母さんも黙ってしまった。