私からの申し出に、叔母様が少し緊張する。

「なにかしら?」
 


“アキ君とこれからも仲良くしてください”



「・・・え?」

 私の気が変わって物かお金をせびられると思っていた叔母様は、この申し出にあっけに取られている。
  

“『2人の子供になれてよかった』と、以前彼が言ってました。
 今のアキ君にとっては、お2人が自分の家族なんです。
 かけがえのない彼の居場所なんです。
 だから、ずっと仲良くしてください”


 叔母様は何も言わずに、私を見ている。





“・・・それが、別れる条件です”


 改めてお辞儀をして、その場を去る。




 店を出る時に、チラッと振り返った。


 叔母様は私に向けて、深々と頭を下げていた。