短いけれど、きっぱりとした口調。


「晃君と別れてちょうだい」


 私は思い切り目を大きく開く。

―――『別れてちょうだい』?!
 

 今の言葉がウソであることを願って、叔母様を見つめる。


 だけど。

 まっすぐに私を見つめ返す叔母様の瞳は、冗談なんかじゃなかった。







「こんな話、晃君抜きですることじゃないのはよく分かっているわ。
 でも、あの子ったら私たちの話にちっとも耳を貸してくれないのよ・・・」

 疲れたように叔母様はため息を漏らす。



 この様子からすると、この話はつい最近のことじゃない。


 ずいぶん前から、アキ君は叔父様たちに私と別れるように言われていたんだ。

 だから、このところずっと疲れた顔をしていたんだ。




 別れを突きつけられた自分自身よりも彼のこれまでのつらさを思って、私は唇を噛む。