“あ、ごぶさたしてますっ”

 手話で語りかけてから、あわてて頭を下げる。


「ほんとに久しぶりね。
 すっかり大人っぽくなって、見違えたわ」


“いえ、そんな・・・”  

 小さく首を横に振った。


 数年ぶりに会った叔母様は私の記憶にある通りで、変わらずお元気そう。

 でも、私を見る瞳がこれまでに知っているものとは少し違う気がする。


―――具合でも悪いのかな?


 直感が“違う”と告げている。


 叔母様の表情からすると、何か他の理由がありそうだ。


 気のせいかもしれないけど、待ち伏せをされていた感じもするし。

 


 あれこれ考えていると、叔母様が口を開いた。

「少し、時間あるかしら?
 話があるの」


 口調は優しいのに、有無を言わせぬ強さがある。



 私はうなずくしかなかった。