声にできない“アイシテル”

 玄関の扉を開けたとたん、チカがまたポカンとする。


 予想通りの反応に思わず笑みが漏れた。

 どんな表情でもチカはかわいい。


 無防備に立ち尽くす彼女がかわいくて、抱きしめたくなってしまった。

 が、そこに叔父さんと叔母さんがやってきたので我慢、我慢。




「いらっしゃい」

 やわらかく笑う叔母さん。


「寒い中、よく来てくれたね」

 叔父さんも笑顔だ。


 ホテルの仕事なんてクリスマスは忙しいはずなのに、『どうにか都合を付けて無理やり抜けてきた』と、叔父さんは言った。

 それだけ俺の彼女に会うことを楽しみにしていたんだな。



 2人の声を聞いて、チカが我に返る。

 急いで帽子を取って、ぺこっと頭を下げた。