「公園にいるのか? 
 指輪を渡したあの公園なんだな!?」


 再びゴツッと鈍い音が1回。


「分かった!
 今そこに行くからっ!」


 俺は携帯電話と上着を手に、部屋を飛び出す。




 階段を滑るように駆け降りると、足音に驚いた叔母さんがやってきた。

「どこに行くの?
 もうすぐご飯ができるわよ」

「あ、あのっ、俺の彼女がなんだかすごく困っているみたいで。
 だから俺、行かなくちゃ!」


「ちょ、ちょっと晃君!?」



 叔母さんの制止を振り切って、俺は公園を目指して駆け出した。