「こらぁ、桜井!!
 なにやってんだっ!!」


 学校一怖いゴリラ・・・、いや、体育教師の後藤先生が走りこんできた。

 その後からはゼーゼー言ってる小山。


 先生はズカズカとこっちにやってきて、俺と彼女を引き離した。


―――え?
   なんだよ、これ?

 突然のことにあっけにとられる。


 先生は俺の肩をグイッと押しのけ、彼女の前に立つ。

「大丈夫か、大野。
 桜井にひどいことされなかったか?」

 ゴリラ顔からは想像も出来ない優しい声。

―――こいつ、絶対女子にはヒイキしてやがるな!


 それよりも。

「先生!
 俺はそんなことしてないですっ」


「そうなのか?」

 ものすごーく疑わしい目で、俺を見てくる。