辺りが少しずつ暗くなってきた。

このままここにいたら寒さで風邪を引かせてしまう。


「そろそろ帰ろうか」

 俺の言葉に彼女がうなずく。


 でも、2人とも動こうとはしない。


「チカちゃん、何で立たないの?」

“先輩こそ”

「ん?
 いや、まぁ」

 もっと一緒にいたいから・・・、とは恥ずかしくって言えない。


 彼女も俺と同じ気持ちらしい。

 モジモジとしたまま、無言の時が流れてゆく。、




 そんな時、彼女が小さなくしゃみをした。

「あっ、帰ろっ」

 俺はあわてて立ち上がる。

「明日もあさっても。
 これからはずっと一緒にいられるから。
 今日はもう、帰ろう」

 彼女の手を引いて立ち上がらせた。


 そこへ・・・。