「さっさと答えろっ!!」

 
「だ、だって・・・。
 その子が桜井君に付きまとっているから・・・。
 そのぉ、忠告をしただけで」

「そ、そうよ。
 桜井君は周りに女子がいると不機嫌になるじゃない」

「だから、私たちは桜井君のために・・・」



 自分たちの行動に反省の色が見えないこいつらに、本気で腹が立つ。

「俺がいつ、そんなことを頼んだっ?!」


 あまりの怒声に、5人がビクッと肩をすくめる。

「この子は俺に付きまとったりしてない。
 俺から彼女に近づいていたんだ!」


 松本は泣きたいような、怒りたいような、複雑な顔をする。

「それ・・・、本気で言ってるの?」

「もちろん!」


 俺がはっきり言うと、松本は突然叫びだす。

「どうしてっ?
 なんでっ?
 その子は話もできない欠陥人間なのよっ!?」