「ね、ね、チカ。
 どんな人だろうね。
 見たいよね」

 私の前に座る佳代子ちゃんは、他の女の子と同じように興味津々。 


「見る目が厳しいよっちゃんが騒ぐくらいだもん。
 相当かっこいいんだろうなぁ」


 よっちゃんとは先輩のことを話し続けている子で。

 かっこいい男子をリサーチする事が趣味だと言う。



「そのカッコいい先輩が私の彼氏になったら、嬉しくって倒れちゃうかも~」


 顔もロクに分からない、話もした事がない転入したての先輩に、佳代子ちゃんはほっぺを赤くしている。


 そんな彼女や、盛り上がっている女子たちを見ても、私は冷静だった。



 そういう男の人が苦手だからだ。



 カッコいい人はモテるのが当たり前だと思っているから、ツンとして、ワガママだったりするんだ。


 それか、女の子に囲まれてヘラヘラしてるんだ。




 まだ会った事もない先輩には失礼だけど、そんなイメージを持った。