あれは今から二年前の春だった。

私には別れる寸前の彼氏がいた(いきなり重たい話)
その彼氏とは一年くらい付き合っていたが
なにするにもうまくいかず喧嘩ばかりだった。
私はもうはっきり好きじゃなかったと記憶にあるがあの頃は本当に好きじゃないのか、ただの倦怠期なのかって少し不安もあったような気がする。


そして高校三年生になってすぐのことだった。
「めっちゃかっこいい先生きた!!!!!!」
これから体育館で始業式が始まるということで生徒達が混雑する中飛び交うこのセリフ。
みんな若いなあと思いつつ耳を澄まして聞いていた(私も若い)


「若いしかっこいいし面白そうだしやばい!」
「あーん仲良くなりたーい」
盗み聞きしてるうちに体育館についてしまった。

『絶対あの人だって。イケメン教師』
そう言いながら後ろからやってきたのは友達のミナコ。(唯一の親友どす)
ミナコが指指す方に目を向けてみるとそこには
いかにも20代前半、不慣れなのかスーツが着こなせていない顔のかたい先生がいた。
渡辺先生だ。

パッと見、アンジャッシュの小島をすごくイケメンにしたような感じ。
まあナシではない。(むしろ有り)
みんなが騒いでいたのはこいつか。こいつでか。
心のうちがスッキリして、始業式に出た。