粒子の粗い砂に埋もれ、傾いて半壊した脆弱なビルの塊を縫って歩くおれの足取りは重かった。 この世に地獄というものが存在するならば、それはおれが生まれた故郷(くに)かもしれない。 奴らは満月になるとうろつき、手当たりしだいに人々を襲うと肉を喰らう。子供たちのはしゃぐ声は消え、街はすっかり錆びれてしまった。 乾ききった風が砂の粒子を引き込んで頬を叩き、自然さえも住みにくくなったことを久し振りに訪れたおれにお節介にも知らせてくれる。