病院の窓から空を見た。


 鉛色の雲が太陽を隠し、いまにも大量の雨を降らせそうな雰囲気だった。おれの心境を察して一緒に泣いてくれるとでもいうのだろうか。


「むし暑いから窓を閉めるよ」

 そう言ってもオヤジからの返事は「あ…ああ」と魂の抜けたものだった。


 毎日来るたびに弱っていくオヤジを見ていると胸が締め付けられる。