【短編集】その玉手箱は食べれません



「メガネをかけた小学生探偵を真似してるのかな?」
転がっていくサッカーボールを見詰めながら僕が聞く。

「そんなことないよ」

「推理して疑われるのは迷惑だな」

「ほとんど白状してんじゃん」
うれしそうに佐竹君が言う。

「先週の台風の影響で学校のプールには葉っぱが絨毯のように大量に落ちているはずだよね」

「なんのこと?話をそらさないでよ」

「これから佐竹君の頭を掴んでバケツに入れて、学校から人がいなくなるまで理科準備室に隠して、それからプールに落とそうかなと思ってるんだ」

「そんなことできるわけ……」

「あまり大人を舐めないでね」
僕は素早い動きで佐竹君の喉を両手で掴んだ。
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